音楽の理解を高めるためには、「楽典」と言われる音楽の色々な理論的知識も必要になっていきます。その他、作曲家や時代背景といった音楽史的知識を知ることも、演奏表現を考える上でとても大切です。知識をつけ、演奏者としても聴衆としても深く音楽を理解し楽しむための力、それが“音楽知識力”です。
ピアノを演奏するときはまず、「譜読み」と呼ばれる楽譜に書かれた音を読む事から始まります。この譜読みが苦手という人が多いのですが、音をすらすら読むためには、音1つ1つを正確に読んでいく事以外にも、楽譜の「視るべきポイント」がいくつかあります。そのポイントを意識しながら譜読み力を上げていくのが“視る力”です。
自力で楽譜を読み込み演奏するには、自分が出した音が正しい音であったか、思ったような表現ができていたかどうかなど、演奏した音を聴き分ける力が必要です。また、音を聴き取り、瞬時に頭の中で音の高さやリズムが浮かぶ力は譜読みの速さにも影響します。さらに、気に入った曲を耳コピして演奏するなど、音楽を幅広く楽しむための力を鍛えるのが“聴く力”です。
楽譜を早く正確に読むためには、音の高さやリズムを正確に理解することが大切です。自ら五線に書き下ろすことで、なんとなく見ていたものや弾いていたものをしっかりと記憶に定着させることができます。さらに、作曲を通して楽譜のルールを知ったり、作曲家が楽譜に込めた意図を読み解く力をつける、これらが“書く力”です。
楽譜を見て音楽を思い描くためには、音感を育てることが大切で、その基礎となるのが「歌うこと」です。自分の体を通して音を感じ、表現することで、音楽のイメージがより深く身につきます。そして、その内側で感じた音楽を実際の演奏として表現するのが「弾く力」です。初見奏や移調、即興などを通して、正確に弾く力と表現する力、柔軟な演奏力を育てます。この「歌う力」と「弾く力」をつなげ、音楽を豊かに表現する力が“奏でる力”です。